スポナビ
"Lights Out"のニックネームでおなじみのボクシング界のレジェンド、
ジェームス・トニーがUFC移籍だそうで・・・。
リンク先の記事にも書かれている通り、卓越したボクシングスキルで一時代を築いた選手であり、ボクサーとしては当に全盛期を過ぎたと思われる年齢を迎えてもなお、余りあるその技術で世界タイトルにも絡んでくる紛うこと無き超一流のボクサーです。
しかし、ハシム・ラクマンの持つWBCのベルトをドロー判定で逃して以来、あまり調子が上がらず、サムピーに2連敗を喫するなど若手の台頭にやや押され気味のいわゆる"ロートル"に片足突っ込んだ選手でもあります。
また、その姿(ピザデブ具合)からも分かるとおり恐らく総合への順応性も低いでしょう。こういった他競技での元・名選手を引っ張り出して、自団体の権威発揚するやり方というのは、某格闘技団体のファンでもある管理人にとってすごく馴染み深い手法だったりするわけでありますぐわ…。
確かに他競技で名・実そろった選手を呼び込む・・・というのはそれだけでわくわくさせてくれるものですが、一見さん以上のファン層であれば、実際のところ”名”なんてものはどうでもよく、ただ単純に"実"の方にしか興味がないはず。
この名実というのもピンキリあって、某団体のようにもともとの競技でも大した実績を残せていない、なんちゃって世界王者をさも一流のように誇張してみせるのは最も質の低い名実といえる。
それから、もとの競技において超一流の技術を持っていてもそれを他競技にまったく転化できないタイプ・・・いわゆる適応性がまったくないと思われる、こちらもタチの悪い"実"。ジェームス・トニーはこれに当たる。
総合ではまず、起こりえないインファイトでの打撃の攻防。そのインファイトでこそ、ずばりトニーの持ち味である巧みなポジショニング、短い間隔でのウェイトを乗せた打ち込みなどが存分に発揮される。逆の言い方をすれば年齢と不摂生によりスピード、スタミナが失われた今のこの人からインファイトの技術を取り上げてしまえば何も残らない。いつぞやのバター・ビーンと同じく、転がされれば成す術なく関節で一本取られるのが容易に想像できる。
せっかくトニークラスの大御所を引っ張り出すだけの資金力があるのであれば、今の停滞気味のボクシングヘビー級界、総合への適応性という意味で見れば他にいくらでも有望な選手はいそうなもんですが・・・・。
と、普段まったく総合を見ない管理人の独り言...。